Copyright(C) 1994 Terumasa KODAKA , Takeshi KONO
■グラフィックBIOS[PC-98LT･HA]
グラフィックBIOSの概要
o PC-98LT･HAでは、グラフィック描画を行うためのグラフィックBIOSを
ROM内プログラムで用意している。これは、ノーマルモードのグラフィック
BIOSとグラフLIOを合わせたような機能である。ただし、ノーマルモードとの
互換性はない。ハイレゾモードのグラフィックBIOSとは類似している。
o グラフィックBIOSは、テクニカルデータブックに詳細な説明があるため、
本書では最低限の情報を掲載するにとどめた。ただし、非公開情報などが
ある一部のファンクションについては詳しく触れた。
表 PC-98LT･HAのグラフィックモード
PC-98LT･HA------モノクロ-----640x400ドット
INT 1Dh - Function 00h(LT･HA)
分類 GRAPH BIOS
名前 グラフィックBIOSの初期化 (GINIT)
対象 PC-98LT･HA
入力 AH=00h
DS=グラフィックBIOS用作業域のセグメント
DS:0020h(DWORD)=中断処理ルーチンのエントリアドレス
出力 AH=終了ステータス
00h=正常終了
05h=不正呼び出し
AL=不定
解説 o
関連
INT 1Dh - Function 01h(LT･HA)
分類 GRAPH BIOS
名前 ビューポート領域の初期化(GSCREEN)
対象 PC-98LT･HA
入力 AH=01h
DS=グラフィックBIOS用作業域のセグメント
出力 AH=終了ステータス
00h=正常終了
05h=不正呼び出し
AL=不定
解説 o
関連
INT 1Dh - Function 02h(LT･HA)
分類 GRAPH BIOS
名前 描画領域の指定 (GVIEW)
対象 PC-98LT･HA
入力 AH=02h
DS=グラフィックBIOS用作業域のセグメント
DS:0020h(WORD)=ビューポートの左上X座標(X1)
DS:0022h(WORD)=ビューポートの左上Y座標(Y1)
DS:0024h(WORD)=ビューポートの右下X座標(X2)
DS:0026h(WORD)=ビューポートの右下Y座標(Y2)
* X1<X2,Y1<Y2でなければならない
DS:0028h(BYTE)=ビューポート内を塗り潰す色
00h: 白
01h: 黒
FFh: 塗り潰しを行わない
DS:0029h(BYTE)=ビューポートの外枠を描く色
00h: 白
01h: 黒
FFh: 枠を描かない
出力 AH=終了ステータス
00h=正常終了
05h=不正呼び出し
AL=不定
解説 o
関連
INT 1Dh - Function 03h(LT･HA)
分類 GRAPH BIOS
名前 フォアグラウンドカラー，バックグラウンドカラーの指定(GCOLOR1)
対象 PC-98LT･HA
入力 AH=03h
DS=グラフィックBIOS用作業域のセグメント
DS:0020h(BYTE)=バックグラウンドカラー
00h: 白
01h: 黒
FFh: 変更しない
DS:0021h(BYTE)=フォアグラウンドカラー
00h: 白
01h: 黒
FFh: 変更しない
出力 AH=終了ステータス
00h=正常終了
05h=不正呼び出し
AL=不定
解説 o
関連
INT 1Dh - Function 04h(LT･HA)
分類 GRAPH BIOS
名前 なし
対象 PC-98LT･HA
入力 AH=05h
出力 なし
解説 o 機能なし。ハイレゾのグラフィックBIOSでは「パレット番号と表示色の対応」
に相当。
関連
INT 1Dh - Function 05h(LT･HA)
分類 GRAPH BIOS
名前 描画領域のクリア (GCLS)
対象 PC-98LT･HA
入力 AH=05h
DS=グラフィックBIOS用作業域のセグメント
出力 AH=終了ステータス
00h=正常終了
05h=不正呼び出し
AL=不定
解説 o
関連
INT 1Dh - Function 06h(LT･HA)
分類 GRAPH BIOS
名前 ドットの書き込み (GPSET)
対象 PC-98LT･HA
入力 AH=06h
DS=グラフィックBIOS用作業域のセグメント
DS:0020h(WORD)=ドットを書き込むX座標
DS:0022h(WORD)=ドットを書き込むY座標
DS:0024h(BYTE)=パレット番号
00h: 白
01h: 黒
FFh: ALレジスタの動作モード指定に従ったパレット番号で書き込む
AL=動作モード指定(DS:0024h=FFhのとき)
01h: フォアグラウンドカラーの色で書き込む
02h: バックグラウンドカラーの色で書き込む
出力 AH=終了ステータス
00h=正常終了
05h=不正呼び出し
AL=不定
解説 o
関連
INT 1Dh - Function 07h(LT･HA)
分類 GRAPH BIOS
名前 直線、矩形の描画 (GLINE)
対象 PC-98LT･HA
入力 AH=07h
DS=グラフィックBIOS用作業域のセグメント
DS:0020h(WORD)=描画始点のX座標(X1)(-32768〜32767)
DS:0022h(WORD)=描画始点のY座標(Y1)(-32768〜32767)
DS:0024h(WORD)=描画終点のX座標(X2)(-32768〜32767)
DS:0026h(WORD)=描画終点のY座標(Y2)(-32768〜32767)
DS:0028h(BYTE)=矩形を描画する表示色
00h: 黒
01h: 白
FFh: 省略
DS:0029h(BYTE)=描画コード
00h: 直線描画指定
01h: 矩形描画指定
02h: 矩形塗り潰し描画指定
■描画コード=直線・矩形描画指定のとき
DS:002Ah(BYTE)=スイッチ(ラインスタイルの指定の有無)
00h: ラインスタイルの指定なし
01h: ラインスタイルの指定あり
DS:002Bh(WORD)=ラインスタイル
* 直線、矩形を描く線のパターンを16ビットで指定する。¥
実線で描画するときはFFFFh。bit 0が画面上の左側、¥
bit 15が画面上の右側に対応する。
■描画コード=矩形塗り潰し描画指定のとき
DS:002Ah(BYTE)=スイッチ
00h: 塗り潰し色・タイルパターンを指定しない
01h: 矩形塗り潰し色を指定する
02h: タイルパターンを指定する
DS:002Bh(BYTE)=矩形塗り潰し色(スイッチ=01hのとき有効)
00h: 黒
01h: 白
FFh: 省略
DS:002Ch(BYTE)=使用しない
DS:002Dh(BYTE)=タイルパターン長(スイッチ=02hのとき有効)
00〜FFh: タイルパターン格納域長
DS:002Eh(DWORD)=タイルパターン格納域の先頭アドレス(スイッチ=02hのとき有効)
出力 AH=終了ステータス
00h=正常終了
05h=不正呼び出し
AL=不定
解説 o
関連
INT 1Dh - Function 08h(LT･HA)
分類 GRAPH BIOS
名前 円、楕円の描画 (GCIRCLE)
対象 PC-98LT･HA
入力 AH=08h
DS=グラフィックBIOS用作業域のセグメント
DS:0020h(WORD)=中心点のX座標(CX)
DS:0022h(WORD)=中心点のY座標(CY)
DS:0024h(WORD)=X軸方向の半径(RX)
DS:0026h(WORD)=Y軸方向の半径(RY)
DS:0028h(BYTE)=円周の描画色
00h: 黒
01h: 白
FFh: フォアグラウンドカラー
DS:0029h(BYTE)=フラグ
bit 7: 未使用
bit 6: タイルパターン指定(1=あり，0=なし)
bit 5: 塗り潰し(1=する，0=しない)
bit 4: 開始点、終了点一致時の描画指定方法(1=一致点のみ描画，0=全楕円を描画)
bit 3: 終了線分描画(1=あり，0=なし)
bit 2: 終了点指定(1=あり，0=なし)
bit 1: 開始線分描画(1=あり，0=なし)
bit 0: 開始点指定(1=あり，0=なし)
DS:002Ah(WORD)=開始点のX座標(SX)
DS:002Ch(WORD)=開始点のY座標(SY)
DS:002Eh(WORD)=終了点のX座標(EX)
DS:0030h(WORD)=終了点のY座標(EY)
■フラグ bit 6,5=01bのとき
DS:0032h(BYTE)=図形内部を塗り潰す色
00h: 黒
01h: 白
FFh : 円周の描画色と同じ
■フラグ bit 6,5=11bのとき
DS:0032h(BYTE)=タイルパターン長
00〜FFh: タイルパターン格納域長
DS:0033h(DWORD)=タイルパターン格納域の先頭アドレス
出力 AH=終了ステータス
00h=正常終了
05h=不正呼び出し
06h=オーバーフロー
AL=不定
解説 o
関連
INT 1Dh - Function 09h(LT･HA)
分類 GRAPH BIOS
名前 指定色による塗りつぶし (GPAINT1)
対象 PC-98LT･HA
入力 AH=09h
DS=グラフィックBIOS用作業域のセグメント
DS:0020h(WORD)=塗り潰し開始点のX座標(-32768〜32767)
DS:0022h(WORD)=塗り潰し開始点のY座標(-32768〜32767)
DS:0024h(BYTE)=領域色パレット番号
00h: 黒
01h: 白
FFh: フォアグラウンドカラーで塗り潰し
DS:0025h(BYTE)=境界色パレット番号
00h: 黒
01h: 白
FFh: フォアグラウンドカラーを境界色に指定
DS:0026h(WORD)=作業域の最終オフセットアドレス
DS:0028h(WORD)=作業域の先頭オフセットアドレス
出力 AH=終了ステータス
00h=正常終了
05h=不正呼び出し
07h=作業域不足のため、処理中断
AL=不定
解説 o
関連
INT 1Dh - Function 0Ah(LT･HA)
分類 GRAPH BIOS
名前 タイルパターンによる塗りつぶし (GPAINT2)
対象 PC-98LT･HA
入力 AH=0Ah
DS=グラフィックBIOS用作業域のセグメント
DS:0020h(WORD)=塗り潰し開始点のX座標(-32768〜32767)
DS:0022h(WORD)=塗り潰し開始点のY座標(-32768〜32767)
DS:0024h(BYTE)=タイルパターン長(01〜FFh)
DS:0025h(DWORD)=タイルパターン格納域の先頭アドレス
DS:0029h(BYTE)=境界色
00h: 黒
01h: 白
FFh: フォアグラウンドカラーを境界色に指定
DS:002Ah(WORD)=作業域の最終オフセットアドレス
DS:002Ch(WORD)=作業域の先頭オフセットアドレス
出力 AH=終了ステータス
00h=正常終了
05h=不正呼び出し
07h=作業域不足のため、処理中断
AL=不定
解説 o
関連
INT 1Dh - Function 0Bh(LT･HA)
分類 GRAPH BIOS
名前 画面イメージの格納 (GGET)
対象 PC-98LT･HA
入力 AH=0Bh
DS:0020h(WORD)=指定領域の左上X座標(X1)
DS:0022h(WORD)=指定領域の左上Y座標(Y1)
DS:0024h(WORD)=指定領域の右下X座標(X2)
DS:0026h(WORD)=指定領域の右下Y座標(Y2)
DS:0028h(DWORD)=格納域の先頭アドレス
DS:002Ch(WORD)=格納域の長さ
出力 AH=終了ステータス
00h=正常終了
05h=不正呼び出し
AL=不定
解説 o
関連
INT 1Dh - Function 0Ch(LT･HA)
分類 GRAPH BIOS
名前 画面イメージの復帰 (GPUT1)
対象 PC-98LT･HA
入力 AH=0Ch
DS=グラフィックBIOS用作業域のセグメント
DS:0020h(WORD)=描画領域の左上X座標(X1)
DS:0022h(WORD)=描画領域の左上Y座標(Y1)
DS:0024h(DWORD)=格納域の先頭アドレス
DS:0028h(WORD)=格納域の長さ
DS:002Ah(BYTE)=描画モード
00h=格納域のイメージをそのまま描画
01h=格納域のイメージをNOTして描画
02h=格納域のイメージと元の画面パターンとをORして描画
03h=格納域のイメージと元の画面パターンとをANDして描画
04h=格納域のイメージと元の画面パターンとをXORして描画
出力 AH=終了ステータス
00h=正常終了
05h=不正呼び出し
AL=不定
解説 o
関連
INT 1Dh - Function 0Dh(LT･HA)
分類 GRAPH BIOS
名前 日本語の描画 (GPUT2)
対象 PC-98LT･HA
入力 AH=0Dh
DS=グラフィックBIOS用作業域のセグメント
DS:0020h(WORD)=描画領域の左上X座標
DS:0022h(WORD)=描画領域の左上Y座標
DS:0024h(WORD)=日本語JISコード
DS:0026h(BYTE)=描画モード
00h=日本語文字をそのまま描画
01h=日本語文字をNOTして描画
02h=日本語文字と元の画面パターンとをORして描画
03h=日本語文字と元の画面パターンとをANDして描画
04h=日本語文字と元の画面パターンとをXORして描画
出力 AH=終了ステータス
00h=正常終了
05h=不正呼び出し
AL=不定
解説 o
関連
INT 1Dh - Function 0Eh(LT･HA)
分類 GRAPH BIOS
名前 画面イメージの移動 (GROLL)
対象 PC-98LT･HA
入力 AH=0Eh
DS=グラフィックBIOS用作業域のセグメント
DS:0020h(WORD)=上下ドット数
+1〜+399: 上方向
-399〜-1: 下方向
DS:0022h(WORD)=左右ドット数
+1〜+639: 左方向
-639〜-1: 右方向
* 実際には、指定された値の絶対値以下で、¥
最も近い8の倍数分だけ移動する
DS:0024h(BYTE)=クリアフラグ
00h: 移動後の残りの領域を黒で埋める
01h: 移動後の残りの領域をバックグラウンドカラーで埋める
出力 AH=終了ステータス
00h=正常終了
05h=不正呼び出し
AL=不定
解説 o
関連
INT 1Dh - Function 0Fh(LT･HA)
分類 GRAPH BIOS
名前 指定ドットのパレット番号の取得 (GPOINT2)
対象 PC-98LT･HA
入力 AH=0Fh
DS=グラフィックBIOS用作業域のセグメント
DS:0020h(WORD)=パレット番号を求めるドットのX座標(-32768〜32767)
DS:0022h(WORD)=パレット番号を求めるドットのY座標(-32768〜32767)
出力 AH=終了ステータス
00h=正常終了
05h=不正呼び出し
AL=00h: 黒
01h: 白
FFh: 指定座標がビューポート外
解説 o
関連
INT 1Dh - Function 10h(LT･HA)
分類 GRAPH BIOS
名前 画面イメージの展開(GCOPY)
Unimplemented
対象 PC-98LT･HA
入力 AH=10h
DX=指定領域の左上X座標
BX=指定領域の左上Y座標
CL=指定領域のX軸方向ドット数
CH=指定領域のY軸方向ドット数
ES:DI=格納域の先頭アドレス
出力 AH=終了ステータス
解説 u '90年版テクニカルデータブックに、このファンクションに関する解説が
掲載されているが、PC-98LT･HAとも実装されていない。
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